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2019年08月29日

練習との距離感について

こんにちは 伊藤です。

 テニスの指導を通じて、教育や社会を理解しようとするが私のライフワークです。テニスを始めて、様々な練習法と出会いました。

実体験を通じて言えることは、「全てを解決する魔法」はないという事です。
どんな理論も、必ず良い点と悪い点があります。
今までにない理論だと思っても、似たものがあったり、
違う世界で既に使われている事もあります。王道はいつも地味なものです。

 私も一つの理論に傾倒した事が、何度かあります。
今までの自分の考えを手放して、盲信して取り組む時の心理は、
「ついに真実を知った。」「みんなは分かっていない。」
「理解できない人は見当違いの批判をするだろう。」というものです。


しばらくすると、驚くほど冷静になって、元の状態に近づいていきます。
テニスの「上達本」にもそういったものが多々あります。
「絶対に」「今までにない」「即直し」というものは怪しいでしょう。

ただ、新しいものを警戒しすぎると、常に物事を疑い「色々試してみよう」という事をしなくなります。当然、進歩もしにくいでしょう。
疑いを持つより、信じ込んだ方がトレーニング効果は高いといえます。

「理屈は分からないけれど機能する」のであれば、やった方が有利でしょうし、
「正しいと分かってからやるよりも、やりながら正しくしていく」方が機能する場合も多いでしょう。この辺のバランスは難しいところです。

ですから、指導者と呼ばれる人達には、失敗した経験がモノをいいます。
何が正しいのか、どのタイミングで何をどう意識してもらうのか。
練習方法との距離感というか、使い方の柔軟さが重要な気がします。

参考書で例えると、取り敢えず何冊かを最後まで一旦目を通して、何となく全体のイメージが持てた後で、本格的に取り組みを始めるといった感じでしょうか。

皆さんが、一歩踏み出して、さらに二歩踏み出す勇気のきっかけになれば幸いです。ご一読有難うございます。

以上